【Vol.164】 ドラッカーに学ぶ 顧客の変化の捉え方

持ち運べる手軽さからボトル型のコーヒー缶やペットボトルなど、
キャップ付きの容器が台頭し、従来型のコーヒー缶の数を
2016年に逆転し、17年はペット製品の人気で、
さらに従来型の缶との差が開いたそうです。

実際、コンビニエンスストアでは、棚の大半をキャップ付き商品が
占めており、客層の変化に合わせ、飲料メーカーはペット容器に
力を入れ始めています。

ペットボトル容器に入ったタイプのコーヒーが新たに人気を集めている
背景には、働く若い女性が仕事の合間にちびちびと時間をかけて
愛飲している、「ちびだら飲み」に合う飲料が人気を得やすく、
2017年11月~2018年1月のコーヒー飲料の売上高トップ5が
すべてペット容器だったとのことです。

このような世の中の変化と、ドラッカーのマネジメントの基本と原則とを
照らし合わせてみた場合、まさに、ドラッカー5つの質問
コアとなる問いと重なってきます。

「われわれの顧客は誰か?」

缶コーヒーメーカーが想定していた主要顧客は、
建設現場の作業員やトラック運転手。

継続的に顧客なってくれている人、
あるいは、昨日の顧客。

そういうふうに考えることができます。

「顧客にとっての価値は何か?」

短い時間の一服に合うように、ショート缶と呼ぶ
短い缶の商品を開発した、そういう背景があります。

誰が顧客になりうるか?

今日の顧客は誰か?

潜在顧客(まだ今は、どこからも購入していない顧客)は誰か?

そういう視点において、顧客は誰かを考え、現れてきたのが
働く若い女性やフリーアドレスで、自席を持たずに社内を動く社員。

そういう顧客にとっての価値は何かというと、

・缶の風味は苦手だった
・ペットボトルなら蓋付きで、ちょこちょこ飲めるのがいい
・産地や豆による違いはわからないけどコーヒーが好き
・持ち運べる手軽さ

そういった点に、価値を感じているそうです。

B to Cに携わるビジネスにおいても、世の中や時代の変化で、
今回のように顧客が変わってくる、幅が広がるということが
あるかもしれません。

そういう意味においても、

「われわれの顧客は誰か?」

「顧客にとっての価値は何か?」

その基本と原則は、いつも問いかけていかないといけない、
繰り返しの思考と習慣にしないといけない、
普遍的な、マネジメントの基本と原則です。

製缶メーカーにとって、今まで顧客であった飲料メーカーが、
ペットボトルを自前で作る例も多く、
製缶メーカーにとっても、同じ問いと丁寧に向き合い、

明日の顧客は誰か?

新たな顧客は誰か?

予期せざる顧客は誰か?

真剣に、徹底的に考え抜いていかないと収益への
影響が年々大きくなっていきます。

顧客のニーズ、欲求は変化しているか?

顧客の居場所は変化するか?

顧客、市場をよく観察し、顧客の変化を捉えること。

ピーター.F.ドラッカーは、そのように言っています。

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