【Vol.163】 依存からの脱却と乱気流時代のマネジメントの責任

日本には、我が社の強みを活かして、国内外問わず、
大手メーカーへ部品を供給している会社がたくさんあると思います。

旧財閥系企業グループの中や、自動車業界における系列企業において、
あるいは、特定メーカーへの部品供給が売上の大部分を占めるなど、
いずれにしても、結果的に依存している状態になっているケースが
多々あるかもしれません。

例えば、一般のガソリン車の部品点数は3万点以上と言われています。
ガソリン車の製造は、すぐにはゼロにはならないかもしれませんが、
諸外国を筆頭にEVシフトへと進む中で、EVの製造の場合は、
ガソリン車に比べて、4割から半分以下に部品の数が減ると、
そう言われています。

そしてその変化は、今まさに起きています。
自動車メーカーに部品を供給する系列企業、
系列企業でなくても、大きな変革の波が押し寄せてきている、
そういう状況です。

アップル依存も、わかりやすい例です。
iPhoneのように、アップル製品が売れるか売れないか、
その業績に左右されるとともに、求められる技術と部品の量と質、
納期に合わせて供給できる能力があるかどうかなど、
ビジネスパートナーとして、選ばれ続けないといけません。

製品のライフサイクルは短くなる一方で、
利用者の購買サイクルは長くなり、
需要を読む難しさがあります。

部品供給メーカーからすると、世の中の変化と、
大手メーカーの戦略の変化という外的要因とその依存の度合いによって、
トヨタに生きるか死ぬかの緊張感が走っているように、
部品供給メーカーも同じような緊張感とともに、
岐路に立たされている、そういう企業もあるかもしれません。

乱気流の時代にあっては、マネジメントにとって最大の責任は、
自らの組織の存続を確実にすることである。
組織の構造を健全かつ堅固にし、
打撃に耐えられるようにすることである。
そして急激な変化に適応し、機会を捉えることである。

ピーター.F.ドラッカーは、そのように言っています。

すでに起こっている未来を教え、いかに対処すべきか
教えてくれたドラッカー。

日本人の物を見る目は鋭いと言われています。
でも、バブルが崩壊する前、警告を真剣に受けとった者は
あまりいなかった。大した手も打たなかったと言われています。

現代は乱気流の時代、今回はどうでしょうか?
内部留保という兆候は、その備えの1つなのかもしれません。

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