【Vol.178】 運営理念がある病院とない病院の違い

この半年の間に、家族や関係者が大きな病院にかかることがあり、
患者さまへの対応が、こんなに違うものなんだと、驚いています。

何が違うのかと言うと、病院運営をするにあたり、
組織として、明確な使命感をもっているかどうか、
ミッション経営、あるいは、経営(運営)理念に基づいた
経営(運営)ができているかどうか、
その差はとても大きく感じられました。

ある都立病院の場合

運営理念

私たちは一人でも多くの患者さんに、安全・安心・良質の医療を提供する

運営方針

1. 患者中心の医療の実践
2. 「365日 24時間の安心」の医療体制の確立
3. チーム医療による総合力の発揮
4. 医療連携の推進
5. 安定した経営基盤の確立

看護部理念

私たちは患者さんやご家族に信頼される質の高い看護を提供します

1. 私たちは患者中心の看護を提供します
2. 私たちは安全・安心の看護を提供します
3. 私たちは専門性の高い看護を提供します
4. 私たちは病院機能を有効に活用します
5. 私たちは地域に開かれた看護活動を行います

この都立病院は、患者さまが通る正面玄関に、
運営理念が掲げられており、看護部の理念は、
入院病棟の掲示板に張り出されていました。

ミッション(使命)や理念を浸透させるための手段でもあり、
これらは、患者さまへの約束、コミットメントでもあります。
そうすると、スタッフの方の意識も高く、実際、
スタッフの方の対応が、しっかりしています。

取手市の病院の場合

ミッションや理念はありません。
そうすると、何が起きるかと言うと、
患者本位の対応ではなく、それが言動に出てくるので、
家族や関係者は、失礼だと感じ、対応に違和感を覚えました。
そして、本当に大丈夫なのかと、不信感を持つようになりました。

そういう病院経営で、中長期的な経済的成果が上がっていくとは、
とても思えないような状況で、都立病院とは真逆でした。

なぜ、そのような違いが生まれてくるのか?

トップマネジメントの意識の違いであり、
マネジメントの基本的知識があるかないか、
知っているか知らないか、学んでいるかどうか、
それだけなのですが、その差異は、とても大きく感じます。

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