【Vol.8】 なぜ「上司をマネジメントする」ことが重要なのか?

このテーマは経営者を含め、全社員が学ばないといけないと言われている、
ドラッカーのマネジメントの基本と原則における重要なテーマの1つではありますが、
残念ながら大多数の企業において、「上司をマネジメントする」は、知られていないのが実情です。

「上司をマネジメントする」とは、上司をうまく動かすという意味ではありません。
上司が成果を上げられるようにするために、自分は「何をなすべきか?」というのが
本質のポイントになります。

では、なぜ上司をマネジメントすることが重要なのか?

どんな上司に当たるかでキャリアが左右される

仕事人生における幸福の半分は、どんな上司が上に就くかによって
決まってしまうところがあります。しかも多くの場合、部下は上司を選べません。
入社して最初の上司とよい関係を築けた人は、その後もずっとよいキャリアを歩んでいます。
その反対もあるわけで、どんな上司に当たるかでキャリアが左右されます。

私自身振り返ってみたとき、その通りだなと感じます。
同じ仕事をするのなら、成果を出し続ける、優秀でよいリーダーのもとで
働きたいと思っていました。でも上司を選べるものではありません・・・

そうすると、どんなリーダーのもとで働いても、大きくキャリアを左右されないように、
自分は何をなすべきなのか? それが大切になってきます。

上司の人柄に仕えているのではなく、上司という役割に仕えている

私たちは人間なので、上司に対して感情的になることもあるでしょうし、
上司の人柄や性格に目がいきがちです。中には上司に対する好き・嫌いや、
合う・合わない、感じが嫌だ・・・とか、いろいろあるかもしれません。

もう一度再認識しないといけないことは、私たちは上司の人柄に仕えているのではなく、
上司という役割に仕えている、ということです。上司という役割に仕えるとは、
「上司を援助する」という考え方になります。
部下は上司を助けるために月給をもらっていると考えるのがいいかもしれません。

正しい「上方影響力」の行使は上司だけではなく、自らを助け、組織全体を活性化させる

したたかなフォロワーや、うまくリーダーシップをとっている人は、
しばしば「上司キラー」、「上司たらし」、「志の高いご機嫌取り」であることが
多いかもしれません。つまり、積極的フォロワーシップや上方影響力に長けているのです。

上方影響力とは、部下が上司に働きかけて、自分の希望する行動をとらせる能力のことをいいます。

会社は自分が仕事をしていくうえでの資源(リソース)であり、
上司もリソースの一つと考えれば、互いに力を利用し合う、取引可能な関係が成り立ちます。
正しい「上方影響力」の行使は、上司だけではなく、自分自身をも助けることになり、
そういうメンバーが増えれば増えるほど、組織全体が活性化されていくでしょう。

「上司をマネジメントする」ということは、「部下をマネジメントする」よりも
よっぽど簡単だし、取り組みやすいし、成果に結びつきやすのに、
単にその視点を持っていないがために(知らないために)、上司との関係が上手く築けなく、
苦労している人が多いように感じます。

先日、大手ロジスティクス業界に勤める女性に聞いたところ、9割ぐらいの人たちが
上司との関係性や、仕事上の悩みがあるのではないかとおっしゃっていました。

上司と信頼関係を築き、うまく仕事ができていますか?

うちの上司は全然わかってくれない・・・と、上司とうまくいかず、悩んでいる皆さん、
上司と仕事をしていくうえでの基本と原則を学べば、組織で働いている間、一生活用できます。
もちろん、独立されている方にとっても重要なテーマであることには、変わりはありません。

もうすぐ4月。このテーマは新入社員研修にもぴったりなテーマでもありますので、
何回かに分けて、重要なポイントをお伝えしていきたいと思います。

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