【Vol.80】 冨山和彦氏の講演とドラッカー ①

先日、公認会計士の日に、尊敬をしてやまない同郷の先輩の一人である
株式会社経営共創基盤 代表取締役CEO
冨山和彦氏のお話を聞く機会がありました。

https://www.igpi.co.jp/about_igpi/ceo_message.html

「これからの企業経営や経営者のあり方」

というテーマでした。

私の解釈が入りますが、今回のお話のポイントは3つあり、

経営環境は危機の連続、時々世界中で、金融・政治的な危機がおきている。
そして、破壊的イノベーションでゲームが変わり、対応を誤ると会社も消えてしまう。
私たちには知恵が求められている。

経営力 = 意思決定力 + 実行力(現場力)
ビジネスオリンピックのように、世界で戦うグローバル企業を除き、
日本はサービス産業であり、中小・中堅企業が新陳代謝をしないといけない。
意思決定力は日本の弱さ。合理に従って、時期を逃さず、
経営者が事業を撤退する正しい意思決定をしないといけない。

分ける化と見える化が大切。日本の経済を活性化するためには、
地道に生産性を上げて、PDCAをまわすという、個々の企業努力が必要。

そのようなお話でした。

冨山氏のお話をドラッカーのマネジメントの基本と原則
照らし合わせてみたときに、3つのテーマに当てはめて考えることができます。

1つ目は、「われわれは何を廃棄すべきか?」というテーマです。

経営者の仕事とは、昨日を陳腐化させ、明日を創り上げることである。
組織の資源と労力を、最大の機会、最大の成果の上がる分野に
適切に配分することである。

ピーター.F.ドラッカーは、そのように言っています。

既存のものは古くなります。

成果は問題の解決ではなく、機会の開拓によって得られる。
成果を上げるには、資源を問題ではなく、機会に投じなければならない。
体系的廃棄の仕組みが必要で、古いものの計画的な廃棄こそ、
新しいものを強力に進める唯一の方法である。

ドラッカーのマネジメントの基本と原則では、そのように言われています。

ここで言う廃棄とは、まさに冨山氏がお話をされていた、
事業をやめるという意思決定です。

事業の廃棄には、トップの決断をする勇気が必要です。
そして、大きな廃棄の決定は、トップマネジメントチームの責任であり、
取締役会がサポートしないといけません。

売上曲線が右肩下がりになり、大きく落ち込んできているときには、

「まだこれを行っていなかったとして、今からこれを始めるかどうか」を問うこと。
明確な使命とビジョンが我々に勇気を与えてくれる。

ピーター.F.ドラッカーは、そのように言っています。

ドラッカーのマネジメントの基本と原則では、
体系的廃棄とイノベーションはセットです。
次回は、イノベーションについて少し触れてみたいと思います。

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