【Vol.204】 セルフマネジメントを強化し、キャリア自立の時代へ

10月26日、富士通は国内のグループ全体で
総務や人事、経理など間接部門の約5,000人を、
2020年度をめどに営業やSEなどの職種に異動させる、
配置転換をするという人事発表をしました。
富士通のグループ全体で、間接部門に約2万人の
従業員がいると言われており、間接部門の
4人に1人が配置転換されることになります。

その背景は、海外事業の不振などを受けた
事業構造転換の一環で、事業の選択と集中を加速し、
成長分野であるITサービス事業を強化すること。
そして、間接部門をアウトソースして効率化・経費削減を
図るため、「仕事が無いので直接部門へ転属させたい」と、
そういう意図になります。

「サービス事業に集中して伸ばしていく方針に変わりはないが、
そのスピードは少し遅かったかもしれない。」
富士通の田中社長は、そのように言っています。

大きな決断になるため、意思決定にも
勇気が求められると思いますが、

昨日を陳腐化させ、明日を創り上げること。

つまり、古くなった事業を廃棄し、
新たな事業を創造していくこと。
イノベーションを起こしていくために、
組織の資源と労力を、最大の機会、最大の成果の上がる
分野に適切に配分すること。
それが経営者の仕事になります。

また11月5日に、ソフトバンクグループの孫さんも同様に、
通信事業に携わる従業員約6,800人を新規事業に配置転換し、
RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)に
置き換えてコストを削減するという発表がありました。

その背景は、料金の引き下げ実現のため、
業務の効率化を進め、RPAを活用することによる
コスト削減です。通信子会社ソフトバンクの全社員、
1万7200人のうち6,800人が対象となり、
人員削減はせず、人工知能(AI)やあらゆるモノがネットに
つながるIoT関連など、成長が見込まれる新規事業に
人的リソースを振り向け、非通信分野の強化を
加速させるという、そういう目的です。

日本の雇用制度上、正社員については、
たとえAIやRPAが普及し、今の仕事が代替されるといっても、
簡単にリストラ解雇される訳ではありませんが、
配置転換(異動)という名のもと、
希望退職がセットになります。

新たな事業領域がない場合、
日本ハムのようなメーカーは、
特定の年齢層に余剰感があれば、
業績や将来的な展望を踏まえ、
ストレートに希望退職になります。
リリース & リテンションをおこなうのが
人事部の役割であり、仕事ではありますが、
その人事部でさえも、間接部門として
スリム化の対象になってきています。

何がなんでも、総務部門や経理部門の従業員を
営業や技術に配置転換しなければならないような
差し迫った必要性まではなく、なんとなく余っている
部署の人員を適切に再配分する。
でも退職者が出た場合は、若い人たちを採用し、
結果、リリース & リテンションという、
そういう印象を受けます。

営業やSEの仕事も、総務、経理、人事部同様
専門職であり、間接部門の経験しかない30代後半~50代の
スペシャリストが、畑違いの専門職に行けと言われても、
相当厳しいものがあると思います。

死ぬ気で努力すれば、なんとかなるという決意でもって、
会社という箱にしがみつくのも1つの選択ですが、
自分の好き・得意や、強みを活かして
貢献をするという環境がない中で、
なかなか、働きがい、やりがい、楽しさを感じながら、
仕事をしていくということが、状況的に
困難になるのではないかと思います。

中小企業への転職を試みることもできますが、
年収の大幅ダウンは覚悟をしないといけないかもしれません。
そういう意味において、残っても、去ってもチャレンジで、
とてもつらい状況ではあります。

事務処理業務を効率化するために、大手企業では、
RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の
検証が進んでいると言われています。
特にIT企業は、我が社において検証をし、
実用化の準備が整えば、富士通やソフトバンクのように
間接部門で余剰人員が大量に発生するということが
起きると思います。電機、銀行、生保業界などで、
間接部門の人員が大量にだぶついており、
近い将来、削減が行われても不思議ではないと、
そう考えられています。

大企業における人員整理は、
これからが本番を迎えるのかもしれませんが、
今回のような富士通やソフトバンクの配置転換事例は、
日本の社会がこれから大きく変わっていく、
転換期の象徴のような出来事です。

変化に合わせて企業も業態を変えていかなければ
生き残れない、今はそういう時代です。
そうなると、社員に求められる能力も変わってきますし、
その会社でしか通用しない能力をいくら身に付けても、
業態が変わって会社そのものが生まれ変わったら、
行き場がなくなってしまいます。

間接的な仕事が無くなっていくのは、
もはや時代の流れでもあり、
仕事が無くなる可能性があることを想定し、
新しい知識やスキル・能力を身に付け、
キャリアチェンジにチャレンジすることも
視野に入れていかないといけないかもしれません。
業界を問わず、自分自身の付加価値を高めていくことが
求められており、ここにきて、
顕在化してきているように感じます。

そういう意味において、あらためて自己を見つめ直す、
セルフマネジメントが重要で、

・自分の使命は何か?
・強みは何か?
・強みを活かして、どこで、どんな貢献ができるのか?
・1つ何かにチャレンジすることで得られるものは何か?
・どういう働き方が好きなのか?
・大切にしたいことは何か?

自分のキャリアは自分でつくる
「キャリア自立」が求められており、
その会社に職がなくなっても
別の会社に移って活躍できるよう、
スキルを磨いていかないといけません。

役職定年を迎えた方は、今まで勤めてきた企業から
業務委託で仕事を請け負い、
残る時間は他社から仕事を求めるといった、
独立して仕事を始めている方々もいます。

部長、支店長として仕事をされてきた方は、
マネジメントを学べば、後継者がいない優良企業を
安く買い取り、経営者としてのキャリアを
スタートすることだって可能です。

終身雇用は行き詰まりを見せており、
変化の早い時代においては、
企業は終身雇用を守れないということを
示唆しているように思えます。

今後は外資系のように、
職種ごとのジョブ採用が進んでいき、
個人がどこでも働けるように
自分でキャリアを磨いていく。
そういう社会へと変わっていくように感じます。

是非、ドラッカーを学んでください。
ドラッカーのマネジメント(経営)の
最重要テーマを学ぶだけでも、
戦略的なポジションに携わっていける、
そういう可能性が広がります。

作成日時: 2018年12月5日 14:46 | | URL

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