【Vol.13】 上司に尋ねる

前回は、職務上関わっている人は誰かを考え、「上司リスト」を作成する。
ここからスタートです、とお話をいたしました。

リストアップした各上司に、少なくとも年に1回は、

「私と私の部下が、何をどのようにしたら、あなたの仕事がやりやすくなりますか?」

「逆に、どうしたら、やりにくくなりますか?」

と、上司に聞かないといけないと、ピーター.F.ドラッカーは言っています。

重要なことは、上司からアドバイスを受けることです。

・自分たちの行動のなかで、上司の仕事をよりしやすくすることは何ですか?
・それを強化するにはどうしたらよいでしょうか?
・自分たちが上司の仕事を妨げている点は何ですか?
・それを改善するにはどうしたらよいでしょうか?

ビジネスパーソンなら誰でも上司がいるのに、不思議なことに、こういう質問を上司にする人は稀です。
私たちが成果を上げられるかどうかは、何よりも上司にかかっていますし、
私たちは上司が成果を上げられるようにする責任があります。ですから、上司に直接、
自分が何をしたら彼らの職務遂行に役立ち、何をしたら邪魔になるかを聞くことが必要です。
そう尋ねれば、多くの上司は直ちに答えてくれるでしょう。

実際、私自身や私の部下の仕事ぶりに頭を悩ませていたけれども、言い出せずにいたのかもしれません。
部下の私たちが何をしてくれれば自分の仕事がやりやすくなるかを、そう苦労せず話してくれるでしょう。

上司に答えてもらったら、少し時間をもらって、その内容を検討します。上司には、

「それでは部下と話し合って、あなたの妨げになっていることを減らし、役立つことを増やすために、
私自身と私の部下に何ができるかを考えてみます。まとまったら報告します」と伝えましょう。

この約束はきちんと守り、早めに報告をします。遅くとも2週間以内には、
具体的な提案を伝えるようにしましょう。

その際、同時に、上司のどのような行動が自分や自分の部下の職務遂行に役立っているか、
妨げとなっているかも話します。

「私や私の部下にとって、あなたのこういう点が助けになっています。
それをさらに強化してもらえれば、私たちの仕事はもっとやりやすくなります」

その一方で、逆にやりにくい点も率直に指摘して、変えてもらえるかを尋ねます。

「あなたのこういうやり方のために、私や私の部下はやりにくさを感じているのですが、
変えてもらえないでしょうか?この点はこのように変えていただけると助かります」

それが2つ目に大切なことである、自分からも上司に助言する、ということです。

・上司の行動のなかで、こちらをやりやすくしている点は何か?
・それを強化してもらうにはどうしたらよいか?
・上司の行動のなかで、自分たちの仕事をやりにくくしている点は何か?
・それをどのように改善してもらいたいか?

助言すると言うと、少し上から目線に聞こえるかもしれませんが、言い換えると、
上記を事前にまとめておき、聞きながら伝えるということです。
聞きながら伝えるというのは、以下のようなイメージです。

~関東編~

部下:「私や私の部下は、こういう点でやりにくさを感じているのですが、変えてもらえないでしょうか?」

上司:「そうだったの?どう変えてほしいの?!」

部下:「この点はこのように変えていただけると助かります」

~関西編~

部下:「自分ら、この点がめっちゃやりにくいなぁと思てるんですが、 変えていただくことは可能でしょうか?」

上司:「そうなん?はよ言えや~。どう変えてほしねん?!」

部下:「この点はこう変えてもらえると、めっちゃうれしいです」

この研修を以前行ったときに、

気が引けます・・・
言いづらいなぁ・・・
正直に話すの、ためらうな・・・

そのようなフィードバックがありました。

ドラッカーは、上司に尋ねるについて、このように述べています。

ほとんどの人が最初はためらい、おどおどしています。でも、思い切って上司に尋ねてみると
思いがけない答えが返ってきます。ほぼ例外なく、上司はこう答えるでしょう。

「そのことを質問するのに、どうしてそんなに時間がかかったのか?」

私(ドラッカー)の経験では、自分の行動のどこが部下の仕事の妨げとなっているか、
あるいは助けになっているかを聞かされた上司は、必ずこう言います。

「どうしてもっと早く言ってくれなかったのか」

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